ベストセラー小説「朗読者」の映画化。原題は「The Reader」。
「タイタニック」のケイト・ウィンスレット、「イングリッシュ・ペイシェント」のレイフ・ファインズが演じる。ケイト・ウィンスレットはこの映画でアカデミー主演女優賞を受賞した。
監督は、「めぐりあう時間たち」と「リトルダンサー」のスティーヴン・ダルドリー。「リトルダンサー」は私の大好きな映画です。最後のアダム・クーパーのジャンプがいまだに目に残っている。
今年一番期待していた作品です。
1958年のドイツが舞台。21歳年齢の離れた二人の、恋とはたして言えるのか、あまりに重大な背景に理解を超えてしまう。この映画の本題は何か?ホロコースト?禁断の愛?ケイト・ウインスレットのセクシーシーンが多すぎて、メインテーマが、ぼやけたような気がするがどうだろうか。監督は禁断の恋を描きたかったのかもしれないが、観客はそれぞれの登場人物に感情移入すればいい。自分だったらそのとき何が出来ただろうかと。
全身全霊で演じたケイト・ウインスレット。新人デヴィッド・クロスの感情を抑えた好演。
この映画は、「愛を読むひと」という邦題では想像できない重い作品だ。たまたま年齢差が21歳だったというだけで、ホロコーストという歴史の一ページに居合わせてしまったという運命の為に、一生に一度だけの出会いを幸せに結び付けられなかった二人の悲しくせつない愛の話だ。
もしもがないのが運命。
もう一度がないのが運命。
運命は残酷だ。
あまりにも悲しい結末に希望は見えない。
ところで、原作を読んだという女性の感想を紹介しときます。(原文どおり)
『勝手な男よのぉ~
まっ、男性からみると美しい話なんだろうけど
自分は絶対安全な場所からメソメソされてもね~
だからどうしたっっておばちゃんはシラけました』
映画の感想というのは、面白い、その人が普段思っていることがそのまま出る。
この人は、普段から身勝手な男に怒っているんだろう。
私は、思いどおりにならない運命に絶望しているし。
まったく違う視点に、ちょっとしらけもしたけどね。
まあ、一面は正しいけど。
過去の苦しみから逃れるために、あの頃に戻りたいと考えるのは不毛だ。
同じ事を繰り返しても、たどり着く所は、同じ苦しみ。
ただ時間を無駄にするだけだ。
そう、その苦しさは、何かの犠牲になったからでもなく、自分で選んだ道。
だから、涙を流して済む訳でもなく、何かで紛らわせるものでもない。
何かを手放して、新しい何かを手に入れるそんなことを何度繰り返してもたどり着く所は同じ苦しみ
。
選んだのはいつも正しい道?
そうとは限らないのが現実。
忘れたい事を忘れられないのは、それが忘れるべきものではないということだろう。